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執筆者の写真茂木 敦史

トラック積荷の押さえるべきポイント 4

積荷をきちんと固定し、安全に走行するにはロープの使い方が重要です。

トラックドライバーを目指す皆さんは、とくにしっかり学んでいきましょう。

積荷を積載して固縛する場合は、使用する機器の能力や安全性を十分に知って正しく使用しましょう。

特に、合繊ロープ、ワイヤロープや荷締機(商品名:レバーブロック、プーラー、ヒッパラー、ラッシングべルト等)は、とがったものに直接当てたり、よじれたまま使用しないでください。

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合繊ロープ

合繊ロープの種類・太さ別安全荷重合繊ロープの強度は、太さ(径)だけでは判断できません。

同じ径であっても柔らかでボリュームだけあって強度の低い合繊ロープもあるので、単位あたり重量が規格以上あるかを確認することが重要です。

合繊ロープの張力

人力で掛けた場合のロ−プ張力(ナンキン1段締めの場合)

・慣れたドライバ−が全力を集中してロ−プを締めた場合、約110kgf

・慣れたドライバ−が普通に締めた場合、約70kgf 〜80kgf

・ドライバ−以外の不慣れの人が締めた場合、体重75kg の人で約60kgf、体重50kg の人で約35kgf

走行時の振動によるロープの張力低下

貨物を積載して走行すると車体の振動により、積荷自体も振動して、

・ロ−プの結び目が固くなる。

・積込み時にあった積荷と積荷の隙間が詰められたり、逆に開いたりします。

等のことから、ロ−プの張力は約40〜50%減少します。

合繊ロープ使用時の注意

合繊ロープはワイヤロープに比べて科学的、物理的に影響を受け易く、また『ヨリ』がもどった場合の強度低下が大きいので注意しましょう。

ゆっくり引張っても切れぬ合繊ロープもゆるめて置いて急に引張るとたやすく切れ易いです。

鋭い角のある物体に合繊ロープを掛けて力を加えると、外側の繊維は大きな伸びを必要とし切れ易くなる。できれば鈍角になるような物を当てがいましょう。

雑貨などに合繊ロープを掛ける場合は、足元に注意し、ロープが重なったりよじれたり、または外れないように注意しましょう。

合繊ロープを外す時は、荷物の安定を確かめてからゆるめます。

合繊ロープを引き抜く時は、無理をしないようにしましょう。

合繊ロープのよじれはすぐなおしておきましょう。ロープをロープの『ヨリ』と同方向に何回もヨルことはキンクができるので絶対に避けてください。

合繊ロープ使用後の手入れ

常に乾燥しておき、次の作業に最良の状態で使用できるようにしましょう。濡れた合繊ロープは日陰で乾かします。もし濡れたままだと『カビ』等を生じて早く腐食してしまいます。

汚れた合繊ロープはきれいにします。真水で洗いよく陰げ干しして保管します。汚れたままだと撚り糸(ストランド)や繊維を傷めてしまいます。

酸性、アルカリ性のものは合繊ロープには禁物。バッテリ液、洗剤、ペイント等も同様です。

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ワイヤロープ

手入れ

キンクの生じるおそれのある箇所および著しい曲がりぐせのある箇所はすぐ直しておきましょう。

雨水にさらされたり、錆やほこりの多いところで使用したときは、錆や油切れのないよう、きれいにふき取り、手入れをしておくことが大切です。

ワイヤロープの取替え基準

使用前・使用後、常に点検し、異常のあるものは取り替えましょう。

摩耗、ワイヤロープの径が公称径の7%を超えて減少したものは使用してはいけません。

素線の切断、1 よりの間で素線数の 10%以上の素線が切断したものを使用してはいけません。

よりもどり、よりもどりで、心鋼の露出したものは使用してはいけません。

アイスプラス(さつま)、編組み部の不完全なものは取り替えなければなりません。アイスプライス(さつま)の環部の変形の著しいものは使用してはいけません。

キンク、キンクしたものは使用してはいけません。

変形、変形(形くずれ)が著しく、心鋼の露出したものは使用してはいけません。

錆・腐食・油切れ、錆、腐食、油切れの著しいものは使用してはいけません。

荷締機等

手入れと使用方法

荷締機(レバーブロック、プーラー、ヒッパラー等)は、フックの回転部分や鎖(チェーン)、ワイヤロープ等に錆が出ないようによごれを落とし、塗油します。

荷締めをするときレバーにパイプを差し込んだり、足で踏むのは危険なので、絶対にしないでください。

鎖はねじれたままで使用しないでください。

固縛した後の荷締機のレバー及び鎖に、振れ止めをしましょう。

当て物(クッション材)

ワイヤロープが滑ったり、角に当たって切断するのを防ぐため、また積荷が損傷したり接触したりするのを防ぐため、次の当て物等を使用しましょう。

ヤワラ(麻袋、当てゴム、ゴム帯、毛布、布団、すのこ等)、当て金(パイプの半割)、当て板(薄板 )、キャンバー(矢板、くさび)

ロープや周辺機器の耐久性もきちんと確認し、トラックで安全に荷物を運べるようにしましょう。

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