トラックドライバーを目指すなら、まずはそのプロドライバーが、実際の走行以外にもどのようにして安全に気をつけているかを確認してみましょう。
例えば、ドライバーとして遵守するべき法律や、日常の点検などが安全対策として挙げられます。
運転者が遵守しなければならない事項その1
運転者は、輸送の安全を確保するために、下記の項目を遵守しなければなりません。(輸送安全規則第17条)
①疾病、疲労、飲酒その他の理由により安全な運転をすることができないときは、その旨を事業者に申し出ること
②日常点検を実施し、確認すること
③事業者が行う乗務前点呼、乗務途中の点呼や乗務後点呼を受け、規定された報告をすること
④乗務を終了し、他の運転者と交替するときは、その運転者に対して、乗務してきた自動車、道路、運行の状況について報告すること
運転者が遵守しなければならない事項その2
輸送の安全を確保するために、「運転者」は下記の項目を遵守しなければなりません。(輸送安全規則第 17 条)
①他の運転者と交替して乗務を開始するときは、その運転者から報告を受け、乗務する自動車の制動装置、走行装置などについて点検すること
②乗務の記録を作成すること(運行記録計の記録用紙を用いる場合は、その記録用紙に必要事項を記載する)
③事業者が作成する「運行指示書」を乗務中携行し、事業者から途中で変更の指示があった場合は、変更内容を記載すること
④踏切を通過するときは、変速装置を操作しないこと
体調・心身状態の報告
運転者は、疾病、疲労、飲酒その他の理由により安全な運転をすることができないと判断したら、そのことを運行管理者に申し出なければなりません。
生活習慣病、高血圧や糖尿病を始めとする疾病、夜勤や夜更かしによる疲労、前日の深酒などによって、運転中に心臓発作や失神を起こしたり判断を誤ったりして、実際に交通事故が起きています。
乗務前点呼などで体調・心身状態の報告を行う場合は、日々の惰性の中で報告するのではなく、目的をしっかりと意識して対応するようにしましょう。
なお、運転者は、医師による健康診断を1年以内ごとに1回(深夜業務を含むときは6ヶ月に1回)定期的に受診し、健康状態の把握に努めなければならなりません。
日常点検の実施
事業用貨物自動車がひとたび車両故障やそれがもとで交通事故などが起きると、社会的に大きな影響を及ぼすことがあります。
そのため、運転者は、日常点検を実施して、その結果を整備管理者に報告しなければなりません。
さらに、整備管理者から運行許可を得ずに出発してはいけません。
1日の運転を安全に行うためには、運行を開始する前に車両の状態に異常がないか確認することが必要です。
日常点検をしっかり行うことで、走行中のトラブルを未然に防止することもできるので、面倒がったり、忙しさを理由にして日常点検を怠らないようにしましょう。
乗務前点呼、乗務途中の点呼と乗務後点呼
運転者は、運行管理者が行う乗務前点呼、乗務後点呼や乗務途中の点呼を受けて、規定された報告をしなければなりません。
【乗務前点呼で報告する主な項目】
①運転者名
②運転者の疾病、疲労、飲酒他の状況
③乗務する自動車の登録番号または識別できる記号
④日常点検の状況
⑤その他必要な事項
【乗務途中の点呼で報告する主な項目】
①運転者の疾病、疲労、飲酒他の状況
②その他必要な事項
【乗務後の点呼で主に報告する項目】
①自動車、道路、運行の状況
②交替運転者に対する通告
③その他必要な事項
踏切内で運行不能となったときの処置
乗務員(運転者や助手席などに乗車する従業員)は、事業用貨物自動車が故障などにより踏切内で運行不能となったときは、速やかに列車に対し適切な防護措置をとらなければなりません。
①警報機のある踏切では、警報機の柱などに取り付けられている「非常ボタン」を押す。
②非常ボタンがない踏切では、「発煙筒」などを用いて列車に合図を送る。
なお、「発煙筒」などがない場合は、煙の出やすいものを燃やして列車に合図を送る。
また、こういったトラブルがあった際は、積荷や集荷などへの影響も大きいため、早めに運行管理者に報告を行うようにしましょう。
プロのトラックドライバーとして、実際の走行以外も様々なルールを守ることが大切です。
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